立教英国学院では毎週金曜日の午後、生徒と教員がともにスポーツを行うことにより、互いに汗を流し、互いにコミュニケーションを深める「フライデー・スポーツ」を行っています。生徒と教員は各種目に分かれて様々なスポーツを行いますが、この中から、今回は2月1日の金曜日に行われた卓球の試合について紹介します。
我々卓球のグループは、普段は体育館の隅にて、若干地味な活動を続けておりますが、この日だけは違います。これまで交流を深めてきた近隣のエルムブリッジ地区にある老人施設の卓球クラブが、我々を試合に招待して下さったのです。
施設にお住まいのリーダーの方から、事前に対戦の詳細や組み合わせ表が本校に送付されてきました。このことから、先方の相当なやる気を伺うことができます。しかしここで重大な問題が・・・・・・。今学期に入り、我々卓球グループは、そのメンバーの多くを失ってしまったのです。理由は簡単、「卓球は地味でダサい」、「もう飽きた」、「他のスポーツをやりたい」、などの気持ちの変化によるものでした。そこで我々はこの日のために、急きょ別の種目の生徒を臨時メンバーとして選抜し、いざエルムブリッジへと出発しました。
ほどなくして施設へ到着すると、以前からお会いしたことのある施設のリーダーの方が会場説明などの対応をして下さり、我々を温かく迎え入れてくれました。ことばで表現するのは難しいですが、いかにもイギリスの穏やかな老紳士といった感じの方です。
さて挨拶もそこそこ、ウォーミングアップを挟んで試合開始です。勿論このイベントのメインは、卓球を通じて本校の生徒と老人の方々が英語で会話をし、互いの交流を深めること、また英国の老後社会を学ぶことにあります。ところがいざ試合に入ると、生徒にも施設の方々にも妥協がありません。サーブの順番やポイント数に疑問があると、すぐに双方で詳細を確認し、また試合に戻るといった様子です。まさに本気モードです。しかも施設の方々のサーブやスマッシュは非常に速く、本校の生徒や教員も簡単に受け止めることができません。1時間半が経ち、全ての試合が終わると、通算成績が明らかになります。結果は5勝6敗、我々の負けです。もっとも、中には相手サイドのコーナーを敢えて狙わずに、相手方の正面にほどほどの速さのボールを返す生徒もいるようで、そのあたりはお年寄りの方々との節度ある付き合い方を心得ているようでした。それもまた生徒にとっては大きな勉強の一つなのではないでしょうか。
試合を終えるとお茶とお菓子の時間をとり、最後は記念写真の撮影です。帰校の際にも、施設のリーダーの方は、我々を優しく見送ってくれました。生徒教員共々、地元の方々との交流、及び英国式のおもてなしを心から満喫した1日となりました。