肌寒い冬のロンドン。赤いバスがとても似合う灰色の空。
元気な歌声が広がるバスに揺られて到着したロンドンでは、班でお昼ご飯を食べた後、まずは大英博物館を見学。ここではエジプト、古代ギリシャ、ローマ、アジア、中東等の人類の遺産を沢山見ることができます。壮大な博物館は大英帝国の偉大さや世界に対するかつての圧力を感じさせる趣がありました。館内には色々な国からの観光客が来ているようで、英語以外にもイタリア語やフランス語等の言語が飛び交っていました。
「なんて書いてあるの~?」
「3種類の文字が書いてあるね。」
「読めないや。」
ロゼッタストーンの前でアウティングのしおりとペンを手に多くの生徒が集まっていました。ロゼッタストーンはエジプト文字解読のきっかけになった石で、ヒエログリフ(象形文字)、デモティック(民衆文字)、ギリシア文字の3種類の文字で紀元前196年のエジプト王の戴冠式を知らせたものと言われています。その3種の文字の違いを石に張り付くように探し、ワークシートに書き込む生徒の姿も見られました。
ロゼッタストーンから少し離れたところにイラク南部で発掘された最古の都市”ウル”から発掘された像があります。その像の足元にはゲーム盤が彫られていました。これは”ウルゲーム”というものだそうです。昔、門番が暇な時間に像に彫りこみ遊んでいたと言われています。いつの時代も暇なとき、人は楽しいことを考えようという習性があるのでしょうか。アウティング前日、社会の先生を中心にこの”ウルゲーム”を皆で行いました。
「先生あったよ!見た?」と、興奮してやってくる生徒もいました。
その他にもエジプトのミイラ、日本の絵画など沢山の作品がありました。
大英博物館の次はブルーウォーター・ショッピングセンターに。ロンドン中心地から東に行ったケント州にある155,700 ㎡の広大なショッピングフロアをもつショッピングセンターで、年間2700万人のお客が来るそうです。
ショッピングセンター内は班行動。自由になった生徒達は、班でご飯を食べたり、カフェでくつろいだり、お店の中を歩きまわったりしていました。
女子に人気の「Accessorize」で髪留めや帽子などを見ている女子班や、和食チェーンレストランの「わさび」でサーモン寿司やヌードルを食べている男子班など様々でした。皆、日頃の規則正しい学校生活から解放され、校外での自由時間を満喫しているようでした。
19時45分。集合場所で全員の点呼を取った後、バスに揺られて学校に戻りました。バスの中では皆ぐっすり。行きのバスでの勢いは嘘のように、帰りはとても静かなバスでした。21時30分学校に到着。
「定価30ポンドの帽子をバーゲンで7ポンドで買ったの!」とドミトリーで帽子をかぶって踊っている女子もいました。大英博物館での感動や発見、ショッピングセンターで感じた日本とイギリスのお店の違いに対する違和感や驚き。多くのものに触れ合うことで自分の思っているものと違うものを受け入れ、視野を広くもつ力を養って欲しいものです。
ブレイク後、待っているのは期末試験です。今年度最後の期末試験。気合を入れて頑張りましょう。そして来年度は清々しい気持ちで新学期が送れるように自分の力を最大限に発揮し後悔しないようにしましょう。