12月6日。立教英国学院は第2学期終業礼拝の日を迎えました。
透き通るように冷たい朝の空気はやさしく、どこまでも見渡せるように澄み切っていて、冬のにおいが切ない気持ちにさせます。今日は高校3年生の”卒業の日”。いつも通りの時間に起き、いつも通りに規律正しい立教の一日の始まりです。卒業式だからといって浮き足立つことなく…。高校3年生にとっての、最後の「いつも」から一日は始まりました。
終業礼拝、高3生はみなきりっとした表情でまっすぐ前を向いていました。ぴんと張った背筋には、後輩に何かを残したい、そんなメッセージがこもっているようでした。その背中には、それぞれの立教生活の思い出が詰まっている。でもそれだけではなくて、チャペルの中は、今日から始まる新しい人生への期待の気持ちで、エネルギーに満ち溢れていました。そのエネルギーを感じて、後輩たちもまた、大きな背中をまっすぐ見つめています。
各担任からの式辞では、高3生の立教生活が振り返られ、思い出に温かい気持ちになりました。ここにこれからもずっといたい。そんな気持ちがないといえば嘘になる。それでも、新しい人生に向かって、ここを飛び出していかなくてはいけない。そんな決意の最後の一押しをするようなメッセージに、気丈にふるまっていた高3生の多くの目から涙がこぼれていました。
4月には、いつもと違うネクタイの色に、自分も、周りも、違和感を覚えていたかもしれません。でもいつのまにか、立教生であることを毎日少しずつ実践していく中で、そのネクタイは自分の一部になっていく。いつの間にか、青ネクタイが似合わなくなっていく。そして今日、今までで一番似合う赤ネクタイを締めた高3が、それを外す時が来ました。
3学期からは、高校2年生がテーブルマスターやアコライトなど、高3生が務めていた仕事を引き継ぎます。ただし、最高学年だからといって、まだ赤ネクタイは付けられません。1学期間、高3生の意志を受け継ぎ、最高学年としての決意を固める”期間”が与えられます。
3学期の始まる日、新しい立教に帰ってきた生徒たちはどんな顔をしているのでしょうか。新しい立教がまたスタートします。