12月5日、終業式前日、ドミトリー整理やクリスマスカードの作成で多忙極まる中、クリスマスコンサートが開催された。これは生徒会が中心となって企画された、在校生が卒業生を送るための行事である。全寮制の立教では、受験などの関係から2学期が実質高校3年生の最後の学期である。目が回るように忙しい学期末、それでも何とか時間をつくってクリスマスコンサートをやるのは、何年も一緒に過ごしてきた先輩に伝えたい強い思いが、後輩にあるからだろう。
前半は3年生を中心とするパフォーマンスがあった。ダンスに歌に、これまでの行事を思い起こさせるものも多く、懐かしい気持ちになった。
後半は学年ごとに高校3年生へ感謝の気持ちをこめての出し物。若い学年から順番に漫才、歌、ダンス、劇に沢山笑ったのち、高校2年生の発表になると卒業ソングが流れだし、会場はしんみりとした雰囲気となった。高2は部活ごとに先輩への感謝の言葉を述べていった。
「先輩のおかげで精神的に鍛えられた。」「先輩がいなくなると思うと寂しくてたまらない。」
いかに高校2年生が高校3年生のことが大好きなのかが、伝わる言葉ばかりであった。
最後は高校3年生から後輩へのメッセージ。笑いも交えた呼びかけの後、最後に3年生の代表者から後輩への印象深いメッセージがあった。
「私たちはみんなを立教に残してはいきません。立教をみんなに残していきます。」
卒業生たちは行事や普段の生活の中で、積極的に自ら動き、立教を自分達色に染め、作りあげてきた。そんな先輩の姿を見てきた後輩は、先輩からバトンを受け取り、今度は自分たちが主体となって動いていく。彼らはこれからどんな立教を作っていくのだろう。
コンサートから3日経った今日、立教英国学院ではいつも通りに鐘が鳴り、太鼓の音が響く。いつも当たり前にいた高校3年生がもう帰ってこないと思うと、寂しい気持ちがこみあげてくる。しかし寂しがってばかりはいられない。この学校をよりよくしていくために、自分たちがやるべきこと、やれることは沢山ある。3学期、立教はどのような学校になるのか。これは残された一人一人にかかっている。ひたすら前を向いて歩んでいけたらと思う。