生徒会の代替わりの時期がやってきた。2月3日、生徒会役員選挙。
春の訪れより一足先に、高校2年生を中心とした旧メンバーから、高校1年生を中心とした新メンバーに自治活動の中心が移行する。
立教の生徒会は、高等部・小中学部を合わせた全学年から役員を選出し、組織される。
球技大会、オープンデイといった年間の行事の運営から、毎日の朝の体操まで、様々な形で学校生活に関わる。地味な仕事も多いが、全校生徒の活動の軸となる責任は非常に重い。
立会演説会は午後1時半より開始。全校生徒が見つめる中、壇上に立った立候補者が
それぞれの思いを語った。
「大好きな立教をよりよくしたい」「自分を変えたい」「皆の学校生活を支えたい」。
あの生徒が、こんなに情熱を持って学校のことを考えていたのか、と驚くこともあった。
演説を聴いていた生徒達も、きっと同じ驚きを感じる場面があったはずだ。
生徒同士、普段からよく知っている仲であっても、自分の考えや思いを伝える機会は意外と多くなく、とても勇気がいることである。
しかし、立候補者達は皆、堂々とした演説でその壁を乗り越えた。演説ごとに拍手が起こり、2時間を超える演説会が最後まで緩むことなく進行したのは、生徒全員が立候補者たちのそんな勇気をよく理解し、たたえていたからであると思う。
続いて、生徒達からの質疑。
「生徒会は生徒の模範とならねばならない。その覚悟があるのか」「公約を果たせなかったらどうするのか」。
厳しい質問が投げられる。特に旧生徒会のメンバーからの質疑は重みがあった。彼らも、1年間の任期中にできたこと、やりたくてもできない、悔しい思いがあったに違いない。
その思いを、立教を本当にこの立候補者達に託して良いのか、真剣に定めようという姿勢が感じ取れた。
ある応援演説の生徒の言葉がとても印象に残っている。
「普段の彼のイメージから来る先入観ではなく、この場での彼の演説と公約によって判断してください」
民主主義が正しく機能するために必要なことのひとつだ。
学校は小さな社会である、と改めて感じる場面であった。
この立教では、小さな社会ではあるが、しっかりと機能していると、はっきりと言える。
夕食後、投票結果が教室棟に張り出された。第43期生徒会、新しい代の誕生である。
これからの1年が、彼らの情熱によってどのように形作られていくか、とても楽しみに思う。