イギリスでは10月半ばを過ぎると赤い造花を胸に挿している人を多く見かけます。街行く人はもちろん、テレビに出演する人もつけています。これはきたる11月11日の“Remembrance day”(戦没者追悼記念日)のためのものでした。
11月11日は第一次世界大戦の終戦日にあたります。この日に向けて、10月の中旬から数週間にわたり“Poppy Appeal”と呼ばれる大規模な募金活動が、駅前や銀行・スーパーなど多くの場所で実施され、寄付を行うと赤いポピーの花が描かれたアイテムをもらうことができます。この寄付金は、大戦によって亡くなった兵士の遺族や、戦争で傷を負った兵士などの支援にあてられます。立教でもオープンデイの日から募金活動が行われ、多くの児童生徒が募金を行い、制服の胸元や腕にポピーのアイテムを身につけていました。
日本でも終戦の報道を見ることはありますが、募金活動に参加することは稀です。こうして自らの意志で募金を行うことで、亡くなった人々に想いを馳せ、今ここに生かされていることをより実感できたのではないでしょうか。多くの犠牲の上に、私たちがいるということを忘れてはいけません。イギリスでも平和を考える大切な数週間となりました。