UCL-Japan Youth Challenge 2024を終えて

UCL-Japan Youth Challenge 2024を終えて UCL-Japan Youth Challenge 2024を終えて

本校の生徒4名が参加したUCL-Japan Youth Challengeが終了しました。このプログラムは、英国と日本の高校生を対象としたサマースクールで、毎年夏、日英の高校生が様々な教育活動とイベントを通して文化交流することが主な目的です。約10日間にわたり立教英国学院、ケンブリッジ大学、ロンドン大学UCL(University College London)の3都市で開催しています。
本プログラムは近代日本の礎を築き上げた長州五傑が1863年、薩摩学生が1865年にUCLで学んだ150周年を記念して開催された2013年の祝典から2年後、UCL Institute of Ophthalmologyの大沼信一教授はじめ多くのUCL教官、学生、ボランティアによって2015年に開始しました。以来日英の高校生を毎年多数受け入れ、UCLをはじめとする世界トップレベルへの大学進学者を輩出しているプログラムです。

以下本校生徒の学びです。

今回のUCL-Japan Youth Challenge 2024への参加を通して、特筆すべき点は2つありました。

まず、質問を素早くすることを意識しました。プログラム中には多くの英国人とのグループディスカッションがありましたが、どのグループもイギリス人が主に発言する傾向がありました。これは、質問に対する反応速度が明らかに日本人よりも速いためです。これは、母国語でも真似できないと感じました。しかしながら、無言でグループディスカッションを終わらすまいと思い、一番意識したことは相手の発言に対して質問をするということです。自分の意見が素早く言えなくても、他の人が発言しているその意見に質問することはいくらでもできます。確かに反応が早くても、よく聞いてみればそこまで高いレベルの発言をしているわけでないと感じました。穴を突くような感覚で質問をすることで、相手は真摯に答えてくれて、グループディスカッションに積極的に参加できるようになりました。この気づきはレクチャーでも生かすことができ、すべての英語が理解できなくてもなんとか特定の部分を聞いて疑問を持ち、質問することができました。一番嬉しかったことは、この考え方で日常会話を英国人としてみたところ、会話が弾み、友だちができたことです。この発見は生涯を通してどこでも使えると感じました。

2つ目は色々な人と共生する、ということです。国籍や人種に関わらず多様性を認める社会の実現が求められる中、このプログラムに参加したことによってその方法が垣間見えた瞬間がありました。例えば、10日間を通して知り合った人の中には、人種などの他にも、自分の実績のために努力する人、他者からの評価のために努力する人、全てはお金のために努力する人、というように、価値観が異なる人々と出会いました。このような人々と生活をするということは会話の馬が合わなかったり、相手の解釈に疑問を持つことがあるかもしれません。しかしここでの大きな気づきは、価値基準が異なることを理由に、友達やその関係性を崩したり、変えたりしてはならないということです。なぜなら「未来のために今に全力であること」は自分も、相手も、世界のどの人も変わらないからです。つまり共生という概念について、ものさしの尺度を変えることこそが苦手だった相手と仲良くなるきっかけになったり、世界が平和になるために貢献したりするのではないかと肌から感じました。

プログラムは身近なことから大きなことまで、新たな気づきを与えてくれた素晴らしい機会でした。このプログラムは自分が予想していたよりも衝撃を受け、揺さぶられ、そして圧倒的な自信につなげることができました。一度は体験すべきプログラムであることは、疑う余地がありません。しかしながら、経済的な負担を含め様々な理由でこのようなプログラムに参加できない人は必ずいます。だからこそ自分自身がそのような貴重な体験をして終わるのではなく、その経験を更に深堀りして探求し、驚きや新たな発見を他者に還元していけるような人材になりたいとも強く思いました。したがって将来は海外の大学に進学し、競争が激しい中でも自分が努力することで、その経験を他の人たちに分け与えられるような存在になりたいと思うようになりました。(H3 K.I)