ケンブリッジのワークショップが始まるまでの短い間、一緒にワークショップに参加する東北の高校生たちが私達の学校に滞在した。皆で観光名所や近くの町、博物館などに行った。知り合い以外の日本の高校生と接する機会はなかなか無い。部屋が同じだった人と将来の夢や志望校などを話したり、充実した時間を過ごすことができた。
就寝前に話していて、東日本大震災の話題になった。そこで聞いた話に、私は衝撃を受けた。東日本大震災で沢山の方が被災したことはニュースなどを通して知っていたが、実際に経験している人に話を聞いたのは初めてだった。家が津波で流されてしまった人や、家が原子力発電所の近くだから住めない人などから、直接話を聞いた。当たり前だが、テレビや新聞などを通して聞くのとは違う、もっと迫って来るものがあった。日常が急に壊れるなど想像も出来ないようなことが、起きたのだと改めて認識させられた。
東北の高校生のプレゼンテーションを聞く機会もあった。そこには、震災や原子力発電所によって起こったことだけではなく、復興のためのプロジェクトも紹介されていた。驚いたことに、高校生が外国と協力して行っているプロジェクトもあったのだ。復興に向けて大人も子供も頑張っているのに、私はそのことさえ、あまり知らなかった。自分が、いかに無関心だったのか、認識させられ、今までの自分が恥ずかしく感じた。
震災から5年が経ち、前ほどは話を聞かなくなった。しかし、今でも苦しんでいる人がいて、復興しようと頑張っている人達がいる。私達はそのことを、忘れてはいけないと思う。
(高等部2年生 女子)