四月二十六日。今日もあっけなく一日は過ぎてゆく。本来なら今頃春休みを終え、高校三年生の一学期を迎えているはずだった。しかし実際には、不要不急の外出を避け自宅で過ごす日々を送っている。私達から日常を奪い、世界中をも不況に陥らせている新型コロナウイルス。それは丁度SARSが流行した二〇〇二年に生まれた私にとって、初めてウイルスの脅威を痛感させるものとなった。
よく知る志村けんさんや岡江久美子さんがこのウイルスに命を奪われ、日本中にピリついた空気が漂っていることは確かだ。ニュースに耳を傾けていると、どうやら日本の対応は他国に比べてかなり遅れており、どこかあまいように感じた。個人の移動を管理するアプリを取り入れたり、体温などを測る防犯カメラを設置した国だってある。緊急事態宣言が出された日本は今、駅の利用者は八割減っても百貨店の利用者は二割増えたそうだ。なかなかピークを越えられない。国民全員が〝自分が感染していたら…〟そう考えれば良いだけなのに。それが今の日本では簡単ではないらしい。中でも私が気になったニュースがある。医療従事者の手当についてだ。感染のリスクが高い中、身を粉にして働いている方々に政府からの手当がほぼないこと。ヨーロッパや韓国では約十万円の支給がされているそうだ。一体何のための保険金なのか。単純に疑問に感じた。同時に、そんな方々に感謝を直接伝えられない私達が出来ることは、stayhomeに限ると改めて思わされた。
私の住む県では四月に入って急に感染者が増え、あっという間に十万人に対するコロナ感染者の割合は全国上位になってしまった。友人とも会えず退屈な毎日。そんな毎日もオンライン授業が始まって少し忙しくなった。それが今は凄く嬉しいし、ホームルームやテレビ電話で友人らと話すと、やっぱり学校って良いな、楽しいんだな、離れてみないと分からないことだった。それだけ当たり前の生活を送っていたことにありがたみを覚えた。高校三年生になった私達が立教英国学院で過ごせる日々は残り僅かになっているが、良き仲間たちとたくさん思い出を作っていきたいと思う。そのためにも私が今できることを今一度考え、決して無駄にならない二〇二〇年春にしたい。
(高等部3年生 女子)