イギリスらしさ

イギリスらしさ

 高校三年生を目前にしたアウティング。片手で数えられるほどしか外出が残されていないことに少しの寂しさを感じながら、私は今回のアウティングに出かけた。今回の目的は主に2つだった。1つ目はナショナル・ギャラリーの見学、そしてもう一つはレ・ミゼラブルの鑑賞だ。ナショナル・ギャラリーには数々の有名な絵画があり、ゴッホの「ひまわり」があるといえば分かる人も多いのではないだろうか。私達は三人のグループだったので、みんなで絵画について話しながら美術館を回った。私はイギリスに来てからたまに美術館に来るようになったのだが、その時はだいたい親と一緒で、あまり感想を言い合ったりはしない。しかし今回は近くに友達がいて、なにか気になることや思ったことを言うことができる美術館巡りもいいな、と思うことができた。また飾られている絵画を見ていると、この作品は私達と同じ人間が書いたのか、といちいち感動していた。

 レ・ミゼラブルを見た感想としては「感動」の一言でしか表せない。私は去年同じものを見たことがあったのだが、それでも新鮮な気持ちで物語を鑑賞できた。特に良かったのは音だ。映画も見たことがあるのだが、その音響を遥かに上回る迫力と壮大さはミュージカルにしか出せないものだと感じた。役者の歌声も素晴らしく、全員が全員聞き入ってしまうほどの表現力と歌唱力で、翻弄される当時のフランスの人々がそこにいるように思えた。ミュージカルはまだ多くは見れていないのでイギリスにいるうちに沢山見ておきたいと思う。

 今回は前回のアウティングとは違って、時間に余裕を持って行動できた。そこは前回の反省を活かせて良かった。また美術館やミュージカルなどのイギリスらしいものを沢山体験できて、ロンドンを満喫した一日になったと思う。
(高等部2年生 女子)