車の窓から入ってくる風にうたれながら外の景色を見ていた。今日はバレーボールの試合。自分にとって初めてのawayのepsom cup(現地校を含めた三校程で毎年行われるバレーの試合)。そして、高3の先輩達の引退試合でもあった。そんな日なのに、空は笑ってくれるどころか、今にも泣きそうな様子でEPSOMに向かう私達の車を見ているようだった。
私は高二の途中から、友達と共にバレーボール部に入部した。バレーは体育でやっていて楽しいと思ったくらいで、特に深い理由はなかった。あの頃は、周りに追いつくのに必死で気付かなかったが、今思えばほぼ初心者であった私達に対して先輩達はすごく優しく教えてくれた。それは、その頃だけではなく今日までずっとそうだった。そして、部活以外の時でも気さくに話しかけてくれる先輩達が大好きだった。
そんな先輩たちと今日で部活をするのが最後だと思うと胸がギュッとなる。後輩を引っぱって盛り上げていくことができるのか不安になる。でも、時は止まらずに進んでしまった。
今日の試合では、立教の中でも高三生が主体のチームAと、高二と高一のチームBで分かれて行ったので、同じチームで共にプレーをすることができなかったのは残念だったが、その代わり先輩達も頑張っているから自分たちも頑張ろうと思えた。そして試合の途中、気が付いたら空は笑っていた。
結果は、チームAは見事優勝。引退にふさわしい結果だった。しかし、自分のチームBはボロ負けだった。こんなんで、今後大丈夫なのかと思った。でも同時に、先輩達がしてくれたことを、今後は自分達がする番なのだなと実感した。
帰りの車でふと空を見ると、頬を少し赤らめながら微笑んでいた。
(高等部2年生 女子)