私≠悪魔

私≠悪魔

小学校6年間の運動会と中学高校の球技大会で私は団体で一度も勝ったことがなかった。個人競技で勝ったことはあったが、私は人生で一度でいいから団体で勝ちたかった。全体で喜びを分かちあってみたかった。 今まで私は人に、 「私は人生でスポーツ大会で一度も団体で勝ったことないんだよね。」 と言えなかっ…
最高の仲間

最高の仲間

正直に言うと、私の球技大会は勝つことにあった。楽しむことと勝つことは同義であった。負けるという概念すら持っていなかった。なぜなら全力で頑張れば結果が必ずついてくるものだと思っていたからだ。だからであろうか。試合が終わったとき、私の頭は呆然と宙に浮いていた。キャプテンとしてみんなに声をかけたくても体が…
春暁

春暁

 閉めきったカーテンの下からわき出てくる陽の光は、うす暗い部屋を照らす。段々と家具が現れ色が足されていくのを見ていると、昨日とは別の世界で目覚めてしまったような、知らない人になったような気持ちになる。 僕は春のこの時間が好きだ。夏でも秋でも冬でもいけない。春の朝が好きだ。  よくマラソンは人…
「最高」がそろう瞬間

「最高」がそろう瞬間

球技大会。僕たちの青春が終わる嫌な行事。 この球技大会が終われば僕たちはもう完全に受験生だ。後輩たちが頑張って1つのものを作り上げようとしている最中も、後輩たちが一生懸命歌っている最中も、僕たちはただひたすら夢に向かって全力疾走する。目標の大きさに脅えながら、少しでも近い道を手探りで探しながら、見…
悔しさをバネに

悔しさをバネに

1回戦目、4回裏、5点差。この回で5点を入れなければ負けてしまう。どうしよう。そんな時、キャプテンが言った。 「絶対大丈夫だから。みんな打てるから自信持っていこう!!」 私は、そんなキャプテンの言葉に救われた。確実にチームのみんなが塁へと進んでいく。私はその時三塁にいた。ホームには、 「小夏、…
ミレースクール交換留学体験記「一緒に笑って、一緒に遊んで、そうしたらもう掛け替えのない友達だった。」

ミレースクール交換留学体験記「一緒に笑って、一緒に遊んで、そうしたらもう掛け替えのない友達だった。」

「ねえ諒子。この子はとてもアニメが好きなんだよ!」 ミレーからの留学生であるエリーが英語で私にベラという女の子を紹介してくれたのはクラスルームに初めて入ってすぐのことだった。エリーとは立教で交流したときに『アニメ』という共通の趣味があって仲良くなった。イギリスに日本のアニメがそんなに普及していると…
最後の球技大会を終えて

最後の球技大会を終えて

「あっけないな。」 高校3年生である僕にとって最後の球技大会、思っていた終わり方とは、少し違っていた。 高校1年で立教に入ってきて、まず初めの行事が球技大会。球技種目には、小学校からやっていたバスケットボールを選んだ。鮮明に覚えているのが、先輩の後ろ姿である。自分のチームの高校3年の先輩が、…
球技大会:いつかこんな先輩になりたい

球技大会:いつかこんな先輩になりたい

「皆、空を見ろ!」 キャプテンの声がした。皆いっせいに空を見上げた。ひきづられていた綱引きの綱がグンッと自分達の方へ引き寄せられる。 「あ。転びそう。」 あまりの勢いの強さに体勢をくずし、後ろに倒れそうになった。「ピーッ」と笛の音がする。自分のチームから大きな歓声が聞こえてきた。あわてて崩れて…
バレー 一色だった球技大会

バレー 一色だった球技大会

「バシッ」 先輩のサーブがきれいに決まった。「あと1点で25点」と勝利を祈った。ピンクがカットした次の瞬間に勝敗が決まった。ピンクのミスで、水色に1点が入ったのだ。水色が勝ったのだ。  球技大会の競技の希望用紙に、第一希望としてドッジボールに印をつけた。でも人数制限のためバレーになったのだ。…
高校3年生になるにあたって

高校3年生になるにあたって

「最上級生」という言葉を聞くと、少し憂鬱になる。緊張とプレッシャーで、ため息が出そうにになる。「最上級生としての自覚を持て」と、先生方から何度言われた事だろう。高校3年生、勉強しなければならないのはもちろんのこと、生活面においても、常に後輩のいい見本となるよう、心がけて行動しなければならない。また、…