高校ラストのオープンデイ。毎年高3は焼鳥やバザー、キッチンといった出し物のお手伝いをする。今回私は古本屋のお手伝いをした。実を言うと、私は最初から古本屋をしたかった訳ではない。第一希望のじゃんけんで負けて残っていたのが古本屋だったのである。みんな希望通りで、楽しそうな顔を見ていると、やるせなく、苦しかった。私のオープンデイは、こうした形でスタートすることとなった。
悪い空気にしたくなかったし、何よりも周りに悔しい気持ちを見せたくなかったから、早く気持ちを切り換えて明るくいこうと心に決め、作業に取り組んだ。意外と古本屋の作業は大変だった。本の仕分けや値段貼り、ざっと300冊ある本を全てロフトや図書館からハットに運ぶ事は、細かい作業でもあり、力仕事でもあった。この作業を終わらせてから、次に装飾の作業に取り組んだ。最初の苦しかった気持ちはいつの間にか消え、みんなを驚かせるような古本屋を作りたい!そう思うようになっていった。他の係の力も借りて、一から装飾作りを始めた。久しぶりの装飾作りにてこずり、初日にもかかわらず5時半に解散をすることとなった。残り1日。私にできる最大限のことをしようと思うと、たくさんのアイデアが浮かんできて、その日はすぐに眠れなかったのを覚えている。
次の日も朝から晩まで作業をして、ついにオープンデイ当日を迎えた。オープン15分前にもかかわらず、古本屋のあるハット前にはもう何人か列ができていた。オープンと同時にたくさんの方々が足を運んで下さり、クローズも1時間遅れとなった。何よりも、みんなが笑顔だったのが本当に嬉しかった。
どんな場所に置かれたとしても、その場所で自分がどれだけ頑張れるか。それが全てだと気付いた。
“置かれた場所で咲きなさい”
これが、今回のオープンデイが私に教えてくれた事だ。
(高等部3年生 女子)