ジョージ・アボットスクール交換留学体験記「新たな挑戦」

ジョージ・アボットスクール交換留学体験記「新たな挑戦」
僕は今回初めてイギリスの現地校との交換留学プログラムに参加した。現地の同世代の人と今まで関わったことがない僕は、うまく会話ができるか、授業についていけるかなど不安な気持ちでいっぱいだった。交換留学先はギルフォードの街中から少し外れたところにあるGeorge Abbot Schoolというyear7(12歳)〜sixth form(18歳)までの子供たちが通う共学の学校だ。
交換留学に行ったメンバーは僕を含めて5人だった。学校に行く前日に、英語に慣れるために車の中では英語以外の言語を禁止するなどのルールを決めたり、たくさんの人と交流するという目標を立てたりして、新しい挑戦に対するやる気と準備は万端だった。当日朝、他の生徒よりも早く起床して朝食を食べて、学校へと出発した。学校までは先生が毎日車で送ってくださった。
学校に着いてエントランスにはいると、そこで僕たちのバディー(ペアになる相手)が待っていた。お互いの自己紹介が終わるとバディーが学校を案内してくれた。生徒用のiMacのパソコンがあったり、スクールカンティーンの支払い方法が指紋認証だったりと驚くことはたくさんあったが、何よりも僕は建物の広さと生徒の多さに驚いた。聞いた話によるとそこには1700人ほどの生徒が在学しているらしい。150人くらいの日本人生徒と閉鎖された空間で過ごしている僕からしたらそこはまるで一つの市街地のようだった。どこにどの教室があるか五日間いても全く覚えられなかった。学校案内の途中に気付いたのだが、制服に幾つかのワッペンが付いている生徒と付いていない生徒がいた。バディーに聞いたところワッペンは生徒の係や功績を表すものらしい。ちなみに僕たちのバディーはアンバサダーと書かれている、日本語でいうと地域交流委員会を意味するバッジをつけていた。僕は最初それを見た時単純にかっこいいと思ったが、ワッペンが付いていない生徒を見ると何か物足りなく、付いている生徒と比べるとかわいそうに思えた。他のメンバーが、付いていない人が差別されそうでかわいそうと言っていた。確かにその通りだなと思った。
ほとんどの授業は僕が中学の頃に学習した範囲だったので簡単だったが、ラテン語やフランス語の教科は理解できるどころか途中から先生が英語で話しているのかそれとも違う言語で話しているのか、その区別すらつかなくなった。生徒は授業より友達とのおしゃべりを楽しんでいて、とにかく自由だった。日本の授業の雰囲気と全く違い最初は少し抵抗がありうまく溶け込むことができなかったが、僕の目標はたくさんの人と交流することだったことを思い出し、僕も授業よりおしゃべりに積極的に参加することにした。話しすぎて先生に睨まれたり注意されたりもしたが、僕はなんだか現地の学生になれた気分になり、少しばかり嬉しかった。
そのような感じで五日間はあっという間に過ぎた。今回の経験を通じて、僕はもっと広い視野で世界を見ていかなくてはならないと思った。今まで話したことのないタイプの人と積極的に関わったり、新しい発見や経験の毎日で今までに体験したことのない疲労感に覆われたが、これらの経験は将来僕がいろいろなことに挑戦していく上でかなりの強みになるだろう。挑戦は成功に終わったようだ。
(高等部3年生 男子)