『人との関わり』

『人との関わり』
「日本人の方ですか?」
突然、流暢な日本語でそう話しかけられた。私は自分が立っている場所を思い返した。
イギリス、ケンブリッジ、マーケットの近くのサブウェイの目の前。私は咄嗟のできごとに困惑し、頭の回転が止まった。
かろうじて
「えっ?」
という声を発することができた。すると彼女はもう一度、流暢な日本語で、
「日本人の方ですか?」
と聞いてきた。戸惑いつつも、
「はい、そうですが…。」
と答えると、彼女は満面の笑みで、
「私、イギリスで日本人の人と会えて感動しています!」
と言った。
私はまだ戸惑っていたが、そう言われると少し嬉しくなり、
「日本語、とてもお上図ですね。」
と返した。すると彼女は、彼女がつい最近までずっと日本に住んでいたことなどを話してくれた。彼女は自分のことと二人の友人のことについて少しばかり話してくれた後、私たちに質問した。
「日本から修学旅行で来たんですか?」
私は、自分が立教英国学院の生徒であること、アウティングについての説明をした。さらに少し話して別れたが、その後で、偶然にも二人の先生方にお会いしたのでこの出来事を伝えると、二人とも口を揃えて
「なぜ連絡先を聞かなかった」
と仰られた。
1人の方からはそういった反応があるとは思ったが、もう1人の方からも言われるとは思いもしなかったので話を聞いたところ、
「何事にも積極的に動くことが人生において大切だよ」
と言われた。
このアウティングを通して人生について問われるとは思っていなかったので、驚いたが、良い経験となったのでこれからの人生に活かしたいと思う。
(高等部1年生 男子)