剣道には全く興味がなかった。父がテレビで剣道の試合を見て楽しんでいる意味がわからなかった。たとえ、自分が面を打てて勝てたとしても、逆に打たれて負けたとしても嬉しくも悔しくもない。この学校で剣道を始めたのも、暇だった時に先輩に誘われたからというだけ。
入部もしないままジャパニーズ・イブニングは剣道をすることになった。練習しているうちにできるようになっていく自分にも興味がない。でも、不思議なことに試合に出してもらえるのが分かった時、嬉しかった。
そして、転んだ。血がドバドバ膝から出てとても痛かった。サージェリーに行くとドクターストップで練習に出られなくなって、練習に出られないと試合が出来なくなる。悔しかった。
胴着で筋トレするだけの日々が続いて、いよいよ本番だ。型と面打ちだけやり終えて練習時間になると僕はほっとした。やりすごしたことに満足していた。が、その満足感をはるかに超える気持ちが審判の「始め」!の合図とともに込み上がってきた。「す…すごい…。」
高一の先輩対高二の先輩の戦いにはその一言以外何も出なかった。
以来、僕はずっと下がり面の練習ばかりしている。今では剣道の試合も見ていて楽しい。ジャパニーズ・イブニングのおかげで、僕は剣道に興味がわいた。
だから、来年のジャパニーズ・イブニングも剣道にして頑張っていきたい。
(中学部1年生 男子)