冬休みのある日、私は母にお風呂掃除を頼まれた。私は見たいテレビがあったため、嫌々掃除した。その後、母は私に、ありがとう、と言った。
普通に考えれば何の変哲もないことだが、私はふと、母の言ったありがとう、は何に対するありがとうなのかと疑問に思った。掃除してくれて、手伝ってくれてありがとうなのだろうか。そうだとしたら毎日のように料理や洗濯をしてくれている母に対して私が言うべきだ。
これに疑問を抱くのは、母が料理や掃除など家事をするのは当たり前だと考えている、と言うことなのだろうと思った。そう思うと少し申し訳ない気持ちになった。また、私が当たり前、と思ってしまうほど当然のように家事を全てこなす母は本当に凄いと思った。これは父に対しても同じだ。当たり前のように朝早く家を出て、夜遅くまで仕事を終えて家に帰ってくる。これも私にとって当たり前になっている。
私が今まで当たり前だと思っていた事は、私が勝手にそう思ってるだけであって、実際にはいつその当たり前だと思っていたことがなくなってもおかしくはないのだ。家族がいることも、家や学校で親や先生や友達と笑えることも。そう考えると、こうしたたくさんの当たり前があることがとてもありがたく感じられる。
今回の冬休みは家で過ごす時間が多かったせいか、こんなことを考えていた。
(高等部2年生 女子)