楽屋に響く様々な楽器の音、ピアノ、フルート、トランペット、バイオリン、ギター。その空間が心地よくて、私は他のいろんなことを忘れそうになった。音楽が人に与える影響は大きい。一瞬で悲しい気持ちにさせたり、楽しい気持ちにさせたり、全てを忘れさせてくれたりする。
私は、クワイヤーの一員としてコンサートに参加した。半年ほど前から練習し続けた自信がメンバーにあったように感じた。一学期に歌った時とは全く違う感覚であった。技術的に細かく練習したことも大きいが、きちんと歌詞の意味を考えて歌ったことも大きく影響したように感じた。音楽や芸術と言うものに正解や不正解はないが、人に伝わるものか、伝わらないものかは有るのではないかと思う。立教の生徒には、人に伝えられる演奏ができる人が何人もいるように私は感じる。そんな素晴らしい才能を持った生徒の居る立教だからこそ、記念コンサートをしてお客様に感謝を伝えることができるのだなと改めて感じた。
一学期のスクールコンサート、オープンデイのコンサート、ドレスリハーサル、当日の午前のリハーサル。何度も演奏を耳にして、同じ曲でも毎回少しずつ違っていることに気づいた。その時のその一瞬しか生み出せないからこそ、生のコンサートはおもしろい。そして本番により完成度の高い演奏ができるように合わせられる立教の演奏者達に、プロ意識のようなものを感じた。舞台のうしろに大きく広がる窓ガラスとその後ろにある枯葉の落ちる木。暗くなるにつれ見えてくる木につけられたイルミネーション。高い天井に響く音色を感じ、ロンドンの美しい風景を楽しめる素晴らしい一時を過ごせる、そんなコンサートに参加できたことを心から嬉しく思った。
(高等部3年 女子)