今回の私のアウティングは、何とも優雅にアフタヌーン・ティーから始まりました。イギリス最古というコーヒーショップで、女子高生五人で、ちょっと贅沢して、お茶とサンドウィッチとスコーンのセットを注文しました。しばらくしてテーブルに運ばれて来たのは、絵に描いた様な三段のスタンドに美味しそうに盛られた御馳走。西洋的な雰囲気を久しく忘れていた私は、その味と伝統漂う店のムードで、何だか子供みたいに嬉しくなりました。
さて、たらふく食べた後は–聞こえは上品ですが、量は言わずもがなのアフタヌーン・ティーでした–は、現地のガイドさんについて古い町を歩きました。
オックスフォード大学とは、市内にある三十八のカレッジ(大学学寮)のことを指します。したがって、日本で一般的に考えられる大学の様なキャンパスがある訳ではありません。そこは学園都市とでも言える、大学、図書館、お店や学生の住まいが、至るところに点在する、活気のある学びの町でした。
学園都市と言えば一年前に訪れた、もう一つの方を思い出します。もう一年経ったのかと思うと少しセンチメンタルな気持ちになりましたが、同時に、しかしやはり成長したなと感じもしました。ただ自然に、ああここで学びたいなと思ったのです。今までは、それこそ昨年のケンブリッジではただ憧れていたカレッジスチューデント達が、いまや自分たちの近い未来だと理解しました。天下のオックスフォードで学びたいなんて本気で言えるはずがないけれど、細かく入り組んだ舗装の粗い道を進むにつれて、もこもこと胸が躍りました。歴史を感じられた感動が、異国情緒を味わう嬉しさが、それは不思議な心持ちでした。
当たり前のように友達と寝食を共にして。本場英国で英語を学んで。そんな高校生活の折り返し地点で訪れた旧都オックスフォードで、大切なことを学べた気がします。私が今得ているものは、知識や経験だけじゃなくてその瞬間しか味わい得ない時間なんだなと思います。だからオックスフォードを訪れた今日、早起きしなきゃいけない明日、いつかは夢見た大学に挑むその日を、大事にしたい。集合場所で強い夜風が何故か平気だったのは、スタバのコーヒーの為だけじゃないと思うのです。
(高等部2年生 女子)