合唱コンクール。それは、私が立教に来て初めて体験した行事だった。一年前、転校してきた私がクラスに馴染むことができたのは、合唱コンのおかげだった。優勝するため、成功させるために、クラスは団結した。
それから一年。私は今回の合唱コンで伴奏者となった。私は、この合唱コンを絶対に成功させたいと思っていた。しかし、冬休みが明けても、課題曲はおろか自由曲さえも決まらず、みんなの手に楽譜が届いたのは本番の10日前だった。16ページもある大曲で、その上何回も転調する難しい曲だった。私は礼拝オルガニストの仕事や勉強に追われながら何とか譜読みを終わらせ、そしてクラスで必死に練習した。
ゆったりとしたきれいな曲で、歌いやすい分ごまかしがきかない、なかなか大変な曲だった。「間に合わないかもしれない。」ふと気が緩んでそう思った私に、「頑張ろう。」とついてきてくれたのは、クラスのみんなだった。音程を取るためにピアノでメロディーを弾く時、私が間違えても、みんなはいつでも笑っていた。そして、積極的に「ここの音教えて。」「今のどうだった?」と聞いてきた。高2で、勉強や部活で忙しい人も多くいたけれど、みんなが合唱のことを一番に考えていたと思う。
私たち高等部2年2組は、最後までもめることが一度もなかった。常に合唱というものを楽しんでいた。そのことは、伴奏していて、歌声を聴くだけで十分伝わってきた。優勝できたのはこの10日間の努力の成果だけだったのではない。この1年、ずっと一緒に過ごしてきたかけがえのない仲間だったから。みんなが最後まで、笑顔で歌い切ったから。理由は数えきれないほどたくさんあったと思う。私は2組の伴奏をすることができて本当に幸せだった。ただ一言「ありがとう」という言葉をみんなに伝えたい。
(高等部2年生 女子)