ロンドンアウティングに行って

ロンドンアウティングに行って ロンドンアウティングに行って
高一最後のアウティングに行ってきました。目的地はロンドン。ナショナルギャラリーの見学と、ミュージカル「マンマ・ミーア」の鑑賞をしました。
 ナショナルギャラリーにはゴッホの「ひまわり」という絵が展示されています。今回、見学に行った時にはアムステルダムのゴッホ美術館から八つある「ひまわり」のうちのもう一枚が来ていて、展示室の中には計二枚のゴッホの「ひまわり」が飾ってありました。
 前に僕はゴッホの「ひまわり」を見たことがあったのですが、前回展示してあった場所と違って、今回二枚の絵が展示されていた場所は証明が少し暗かったのであまりはっきりと色の違いを見比べることができませんでした。けれども二枚の絵はお互いすぐ隣に飾ってあったので違いをとても比較しやすかったです。
 ナショナルギャラリーの見学を終えて、七時の集合までフリーになってからは少しばかりお出かけをしました。ストリートのお店に入ってお菓子や服を見て、ドーナツを食べて、五時四十五分からは日本食レストランの「太郎」で二組の男子全員でご飯を食べました。
 その後の夜のミュージカルは、久々に僕に感動を与えてくれました。もともとオペラやミュージカルは親の影響で見ていましたが、それでもやはりとても刺激的なものでした。ABBAの音楽という、自分の知っているものが多くあったこともその理由かもしれません。
 しかし本当の理由はひとえに、「マンマ・ミーア」が超ロングランの作品であることに尽きると思います。長い年月を経て今なお人々を魅了する作品だからこそ、また、人々に刺激と幸せと感動を与えられる作品だからこそ、オペラやミュージカル慣れした心にも響くものがあったのだと思います。
改めて芸術作品というものの概念とその存在意義を考えさせられました。
 これまで、僕はそういった類のものは娯楽のためにあると思っていました。それで人の心を満たすことができれば、ただの娯楽でいいのだと思っていました。しかし、このロンドンでの芸術作品の鑑賞を通して、その考え方が少し変わった気がします。
 心を満足させるのと、感動を与えるのは別物だと思います。心を満たすのは満たすだけです。感動させるのは心を大きくすることです。人を成長させるということです。なぜなら感動があるからこそ、人は自分も同じ感動を求めて動き出すからです。それが人の成長につながるのだと思います。人の心に満足という感情だけでなく、感動というものを与える芸術は、科学技術の進歩と呼ばれるものとともに、人類をここまで成長させてきたのではないでしょうか。
 芸術は一見非力のように見えます。しかし、その存在なしではこの世界は成り立たないのだということを、このロンドンでの鑑賞を通して感じました。
(高等部1年生 男子)