七分間で三失点。引き分けに終わった試合後のみんなの悔しそうで苦しい顔を見た時は後悔と申し訳なさのトゲが心に突き刺さった。ディフェンスリーダーとしての重責を背に負い臨んだこの一戦で流れを相手に完全に掌握されラスト七分で三失点。ディフェンダーとしての任務を果たせず、責任感の崩壊と自己のふがいなさに支配された自分を引き戻してくれたのは後輩の存在だった。試合後すぐに水を汲み手渡し、「お疲れ様です。先輩がいなかったら三失点じゃ済まなかったです。」と声をかけてくれた。何故だか分からないけれど涙が溢れそうになった。
僕らの守備に不満を持っていた仲間も間違いなくいた。声をかけてくれた仲間の中にももしかすると心の中では不満があった人もいたかもしれない。しかし、そういった事を理解した上でもこの一言は僕にとってとても大きな意味を成した。
後輩が今回、僕にかけてくれた言葉。何気ない一言にも感じられるかもしれないが間違いなくその言葉に救われた。今度は自分が、「人を救える言葉」をかけてあげられるような先輩になりたい。
(高等部2年生 男子)