今回のミレースクール交換留学の参加者は10人と、今までで一番多かった。しかし、中3の参加者は私一人で、ミレーの生徒が来る前から、少し弱気になっていた。中3のクラスの中にミレースクールの生徒一人で、私はきちんとパートナーとクラスメイトがコミュニケーションをとりやすい雰囲気を作ってあげられるだろうか、高1の先輩に迷惑をかけてしまわないだろうか、英語で伝えたいことは伝えられるのだろうか、などの不安な気持ちがあった。その一方で、同い年の英人の友達ができることへの期待が入り混じった。
私のパートナーはエミリーという名前でプロフィールの写真を見たときはとても大人っぽい子だなという印象だった。土曜日のお昼が終わったあと、私は靴磨きに参加せずエミリーのもとへ向かった。初めは私もエミリーも緊張していて、会話もあまり続かなかった。去年交換留学に参加した先輩からは、最初の2、3日がもったいなかったって思うくらい仲良くなったから悔いのないように1日を過ごしな、とアドバイスを頂いたので、私はまず、エミリーに精一杯おもてなしをして、立教を好きになってもらおうと思った。
エミリーを中3に迎え、驚いたこと、教えてもらったことが沢山あった。一つはパートナーと一緒に同じ授業を受ける、シャド-イングで一番多かった数学の授業でのことだ。数学は言葉より文字だから万国共通でやりやすいかな、と思っていたらそれは大きな間違えだった。なぜなら、日本の学校とイギリスの学校ではカリュキュラムに違いがあり、求めるものが異なるのだ。エミリーはいつも答えとして導いているものが、問題としてでてきたことにとても戸惑っていた。私はひとつの問題を50分かけて教えた。はっきり理解したかは分からないが、電子辞書片手に普段使わない様な単語を調べ、なんとかグラフを書くことと、問題の答えを出すことが出来た。まだまだ専門的な単語を知らないこと、数学は言葉があるから、計算にたどり着く、ということを学んだ。
また、日本では風邪を引き始めたら、マスクをするのが当たり前で、マナーといわれているが、イギリスだと、マスクはしていたら重症という意味になる、というような小さい文化の違いも教えてもらい、おもしろいなと思った。逆に、日本の文化も積極的に教えた。「いただきます。」や、「ごちそうさま。」などもミレーの生徒にとってとても興味深いことであったみたいだ。エミリーは剣道に興味があったため、友達と一緒に剣道を体験してもらった。具体的に説明するのが難しく、先輩にまかせっきりになってしまったのが今思うと反省点だと思う。あたりまえだが、何事も自分が知っていなければ説明できない。なので自ら日本のものを学ぶ、興味を持つという姿勢はいつまでも大切にしたいと思った。
実際に立教でのミレーとの交流を終えてみて、とても楽しかった。今では不安がっていた私が信じられない。そして、私がミレーとの交流を楽しめたのは、学年関係なくいつも気にかけてくださった高一のミレー参加者の先輩方のおかげだと思う。最初は好きなものの質問ばかりしていて、なかなか会話も続かなかったが、一週間は信じられない程早く過ぎ、エミリーとは普通の友達以上に仲良くなっていた。お別れのときは、自分でも驚く位悲しくて、駐車場で車に乗る直前に涙が出てきて二人で抱き合って泣いた。私がミレーに行くまであと、5週間だ。たった5週間、されど5週間で1週間ずっと一緒に居たので、離れるのが本当に寂しかった。でも、次に会うときまでにもっと英語を上達させる、とエミリーに約束したので、5週間の間にもっと英語を頑張り、エミリーを驚かせたい。
(中学部3年生 女子)