長かったようで短かった合唱コンクールは、幕を閉じた。今年は、昨年以上にクラス全員が団結して時間が許す限り、一人一人が全力を尽くした。この合唱コンクールで私たちができるイベントは最後だと思うと、少し切ない。
クラスで揉めることもなく、合唱コンクール当日までの練習期間中、日数が経つごとに、クラスの誰かが私たちの合唱曲「青いベンチ」を休憩時間に口遊むと、その歌声にみんなが乗っかり、だんだんボリュームを上げ、教室にたくさんの音符が舞った。練習の初日は、あまり元気のない音符が飛び交っていたが、4、5日目からは、大きくて太い、他の誰も持っていない、自分だけの音がみんな出ていて、楽しんで歌った。
私たちの良いところは、練習中、全員が指揮者のようであった所だと、私は思う。音がずれていたり、テンポが違ったりすると一旦止めて指摘したり、不満があるとちゃんと言ったり、全員が主役だった。声出しのために外で歌うと、全然声が響かなくて、お腹から思いっきり音を出して練習した。毎日、試行錯誤しながら楽しく歌い、培った私たちの歌声は、本番、一人一人の力強い思いと、やわらかで強弱がはっきりしている繊細な声がホールで一つとなり、素晴らしいハーモニーを響かせた。賞をとることよりもみんなで楽しく良い歌声を見せることが大切ということがみんなの雰囲気であったから、「総合優勝」という良い結果が形として出来た。
この合唱コンクールで、さらにクラスの仲が深まり、来年、高3として歩む道の一本のレールが見えた気がした。
クラスのみんなに感謝の気持ちを伝えたい。「本当にこのクラスの一員で良かった。ありがとう。」と。
(高等部2年生 女子)