「ミレーの生徒が一週間、立教に来る」
それは紛れもなく私にとって大きなことであり、緊張、不安、楽しさが入り混じっていた。私はペラペラ英語が話せるわけではないが小学校のころから習っていて心から英語が大好きだ。だからこそ今回のミレー交換留学も応募した。
私のバディーの子の名前はエロイス。来る前から名前でそれなりにいじられ注目を浴びていた。どんな子なのかと思っていたらエロイスは私より年下なのを忘れるくらい大人っぽかった。
今回の交換留学ではたくさんの思い出が作れたが、多すぎるので一部を紹介しようと思う。まず会って一日目。お互い緊張していた。なにを話せばいいのかわからず、とりあえず趣味などを聞くことから始まった。そうこうするうちにすぐ仲良くなることができ、二日目には恋バナで盛り上がり、女子が恋バナを好きなのは世界共通なんだなと思った。そのあと交換留学のプログラムの一貫でバディーの子とフラワーアレンジメントをするという企画があった。私はフラワーアレンジメントを体験するのが始めてでエロイスも同じく初だった。お互い初心者なのでどう作ればいいのかわからず試行錯誤した。まずフラワーアレンジメントなのにオアシスに茎だけを刺したり、臨場感を出すためとか言って花びらを散らしたりした。ついには茎でちゃんばらをしたりした。先生やフラワーアレンジメントの先輩にはあきれられたがこれが涙が出るほど楽しかった。お互いふざけあって、心の底から笑い、国籍という壁を乗り越えた気がした。
だがこんな楽しい思い出があるなか、唯一心残りがある。あまり放課後や授業の休み時間にエロイスといられなかったことだ。ミレーの交換留学の直後に生徒会選挙を控えていた私は台本作りに追われていた。さらにギターコンサートの練習もしなくてはならずエロイスと話す時間があまりなかった。この心残りを思い切って最後にエロイスに伝えてみた。あまり一緒にいられなくてごめんね、と。エロイスはそんなことないよと笑顔で答えてくれたが、あと一週間後に迫っている私たちがミレーに行くときは心残りのないようにしようと思う。
どんなことも全力で楽しむ。
これが私のモットーだ。一週間後が私は楽しみだ。私はまた貴重な体験ができるだろう。
(高等部1年生 女子)