新橋から新交通ゆりかもめに乗ると、芝浦ふ頭駅とお台場海浜公園駅の間にレインボーブリッジを通過する。車内からその光景を眺めるとなんとも不思議な気持ちになる。臨海道路と並走しているゆりかもめだが、よく見てみると、橋の両側に遊歩道があるではないか。初めてそのことに気づいた日から、レインボーブリッジを歩いて渡ってみたいと思うようになった。
その小さな夢が叶ったのがこの冬休み。父がレインボーブリッジを歩いてみたいと言ったからだ。父も同じことを思っていたことにはとても驚いた。芝浦ふ頭駅で降車し、徒歩でレインボーブリッジ入り口まで行く。入り口に行くと、自転車を持って並ぶ人が3人ほどいた。自転車は手押しが原則で、専用の台座をつけるそうだ。遊歩道の営業時間は夏季は午前9時から午後9時、冬季は午前10時から午後6時、と季節によって異なる。建物の中に入ると、ノースルート、サウスルートの2つのルートに分かれる。エレベーターで7階まで上ると、レインボーブリッジを渡る旅が始まる。
レインボーブリッジの正式名称は、首都高速11号台場線・東京港連絡橋。レインボーブリッジという愛称は一般公募によって決められた。全長は798m。海面から橋桁まで高さ52m。この高さだと、豪華客船のクイーン・エリザベス2号やタイタニック号は橋をくぐることはできない。レインボーブリッジは近郊に羽田空港があるため、高さに制限があったそうだ。
エレベーターを降りて、いよいよ一歩を踏み出す。数十メートル歩くと、真下はもう海。それなりの高さがある上に強風で、真横の道路は50キロ近くの速度を出す車やバイクが走行するため、スリル満点だった。高所恐怖症の父はなるべく内側の手すりに沿って歩いていた。所々、支柱の外側を回る道となっていて、東京タワー、東京スカイツリー、豊洲市場、東京湾を走行する数々の船など、美しい景色を独占できた。レインボーブリッジの遊歩道はランニングの為に利用する人が多く見られた。特に、部活動の中学生らしき人達が先生を筆頭に十数人続いて一列でランニングしていたことには感心した。散歩として渡っていたのはほぼ私たち父娘ふたり。お台場まで渡り終えるのに約30分かかった。
見慣れた景色でありふれている東京。しかし目を凝らしてみると新しい発見がある。そのことに気づかされ、リフレッシュできたよい機会となった。
(高等部1年生 女子)