「いってらっしゃい!気をつけてね。」「楽しんできてね!」
「いってきます!」
立教生や先生方に見送られて、Wolverhamptonに向かう約5時間のバスの旅が始まった。今日は、約5カ月ぶりに彼女達に会うことができる。期待と不安が入り交じった空気がバスの中に漂っていた。
高1の3学期、この短期交換留学のメンバーに応募し、私を含めた6人が選ばれた。2月に入り、Wolverhampton Girls High Schoolから同じ6人の交換留学生がやってきて、一人ひとりがパートナーを持って、約1週間を立教で過ごした。彼女達は、GCSEのJapaneseでA*やAを取った子ばかり。一緒に私たち立教生の授業を受けた時、彼女達の日本語のボキャブラリーの多さには驚いた。そして、その期間英語と日本語を使って共に過ごした。
あれから早5ヶ月。今度は立教生の私たち6人がWolverhamptonを訪ねる番だ。パートナーの子とは、休みなどに連絡を取ったりしていたが、文章のやりとりと実際に会うのとはわけが違う。一刻も早く再会したかった。
長いバスの旅が終わると、彼女達はすでに待っていた。久々にパートナーを見て、大きく変わっているところがなくて安心した。そして、これから朝から晩まで英語漬けの一週間が始まる。そう思うと、やはり期待と不安が私の心の中で喧嘩していた。
ホームステイは私にとって2回目だったが、前回と何より違うのは、すでに1週間共に過ごしたパートナーの家なので、すでに知っている人がいるということである。とはいっても彼女の家族に会うのは初めてだったので、さすがに始めは緊張した。しかし、ホストファミリーはとても気さくでペットの犬にも慣れて、始めに感じた緊張はどこかへ消えてしまっていた。
そして、メインである学校。どんな授業スタイルなのだろう?パートナーのクラスメイトは?いろいろなことを考えて入ると、学校の人々は思っている以上に普通だった。特別に私たち立教生をゲスト扱いするわけでもなく、別に差別するわけでもなく、ごく普通の自然体。逆に私が少し驚いてしまった。授業もみんなバラバラ。彼女達は、受けたい授業を受けていいと言うので、選ぶことができ、私はイギリスやアメリカのHistoryや日本の高校にはないPsychology、立教でもGCSEでやったBiologyにChemistryなど様々な授業に参加した。時間割は日本や立教とは違って、1日に2教科程度で、1教科に2、3時間かけて行われるというものだった。それを知った時は “今日はたったのこれだけ?” と少し戸惑ったが、1教科に時間をかけてじっくりやれるというのは、日本のスタイルとは違った良い点であると思う。そして何より違うのは、授業スタイル。日本や立教の授業のスタイルといえば、先生がひたすら話し続け、生徒はひたすら聞いてノートを取る。だが、こちらは違う。もちろん生徒たちはノートを取ったり、レポートを作ったりしているが、ひたすら黙って授業を聞いている授業なんてほぼなかった。大抵がDiscussionのような形式で進む。しかも、授業中だというのに、生徒たちはお菓子やケーキをバックから取り出して食べ始め、先生までもがバナナを片手に持ちながら話していた。自由すぎる。さすがにこれには驚きを隠せなかった。
書きたい事はまだまだあるのだが、きりがないのでここまでにしようと思う。帰ってきた今言えることは、本当に良い経験をすることができたということ。立教にいても英語を使う機会はたくさんあるが、同世代のイギリスの子たちと友達になれる機会はほとんどない。これは家がロンドンであっても同じことである。彼女達と会話をしたり共に過ごしたりすることで、テストに出てくるような英語だけではなく、より身近な英語に触れることができた。そして、短い期間ではあったが彼女達とはもう立派な”友達”である。私は次会える時を楽しみに、今回よりももっと深い会話ができるように、英語を今まで以上に頑張っていきたい。
(高等部2年生 女子)