このサマープログラムは私にとって大きな挑戦でした。この体験を通してまず痛感したのは、人とのつながりの大切さです。朝から夜までハードなスケジュールを楽しく過ごせたのは、お互いを助け合ったり励ましあったりできたからだと思います。10日間の間、充実した濃い時間を過ごすことができました。講義がびっしり入っている日や、理系のレクチャーばかりで理解が難しく専門単語についていけない時もありました。それでも諦めないこと、聞くだけではなくなにか疑問はないか自分の中でよく考えることを訓練することができました。
このプログラムに参加するにあたって、自分の中で「発言する」という目標を立てていました。最初はたくさんの人の前で喋ることに少し抵抗があり、思うように発言したり質問したりできませんでした。夜に予習をして次の日の講義で少しでも理解が深められるように努力して、積極的に手をあげるようにしたことでだんだんと自分でも成長したなと思えるようになりました。自分がした質問だけではなく他の学生からの質問からも新しい観点を知り学ぶことができました。このような経験が、将来の学びを助けてくれると確信しています。また、アイスブレイキングセッションや観光、リフレクションのときに日本やイギリスの学生と交流を深めて、お互いのバックグラウンドや高校での勉強、将来の夢などについて話したことでたくさんの刺激を受け、さらに英語を勉強したいという気持ちが強くなりました。
この10日間が終わって感じたような達成感を私が立教英国学院を卒業する時にも感じることができるように、これからも努力を欠かさずに頑張っていきたいと思います。
(高等部2年生 女子)
プログラムの5日目に映画上映イベントがあり、『インパール1944』という30分ほどのショートフィルムを観ました。インパール作戦については、去年の聖書の時間でチャプレンから教わったので知っていました。この作戦は第二次世界大戦中におこなわれたもので、生存者がほとんどおらず今では史上最悪の作戦と言われています。しかし、この作品はこの戦争がどれほど酷かったのか、どのような作戦をとったのかが描かれていたのではなく、ひとりのイギリス人兵士と彼の一番大事な親友の命を奪ってしまったひとりの日本人兵士が、何十年もの時を経て過去のわだかまりを解消するという物語でした。過去のわだかまり、この場合では戦争が大きなバリアとなっているのだと思いました。70年経った現在ではあまりないことだと思いますが、戦後しばらくは敵軍だった日本人だからという理由で差別を受けたり、相手に受け入れられなかった日本人もたくさんいたはずです。この映画を観たとき、過去に作られてしまった人と人との間に生まれた溝も、その人が何かの形で社会にアクセスできないようにさせてしまうことがあり得るのだと学びました。
今回のプログラムで、身体障害、宗教の違い、貧困、言語など、その人の社会へのアクセシビリティを拒んでしまう様々な原因を教わりました。そのことについての解決方法をみんなで講義の中で考えてみましたが、それらは全て法律を作ったり、キャンペーンをしたり、科学技術で解決したりという何かしらの人工物を通じて改善するものでした。しかし、作品の主人公の日本人兵士は直接面と向かってその人と向き合うことでその壁を乗り越えていました。この映画の中では「戦争」というかなりスケールの大きいものでしたが、小さいことでもそれがバリアとなって人と人との関係がこじれてしまうことは私たちにもよくあることだと思います。今、中高生の私たちが身体障害者や貧しい国の人々に社会へのアクセシビリティを提供することはすごく難しいことです。だからこそ身近なものから地道に相手にしっかり向き合うことが大切なのだと、このセッションを受けた今思っています。
今回私がUCLのプログラムに参加した理由は、私は現地校に通っていたことがあるのですが、その時に話したり意見を言ったりすることが全然できなかったからです。授業中に発言をしたことはほぼ無く、休み時間も変なこと言っていないか気にしてしまい友達の聞き役に回っていることが多く、正直ずっと現地校に行っていたと大きな声で言えない自分がいました。なので、今回は絶対にたくさん話してこようと思い参加しました。10日間でしたが周りの人は本当に優しく、完璧じゃない英語を使っても聞いてくれ、自分でも満足できるくらい言葉を発することができました。また、将来自分が何をしたいのかが決まっており、それについて話している参加学生も多く刺激を受けました。このプログラムに参加できて本当によかったです。
(高等部2年生 女子)