輝いて

輝いて

皿並べが終わって、New Hallから出た瞬間、ぶるりと体を震わせた。寒い。風は微かながらも冷たく頬を撫でた。こんなに寒かったっけ。そう思いながら白板を見ると11月と書いてある。えっ、もうあと1ヶ月なのか。この学校から居なくなるまで。 2年前。高校1年生だった私。髪が短く、ネクタイも結ぶことが…
「短期留学を通して」

「短期留学を通して」

一学期の終業式が終わって、皆が日本やイギリスその他の国の、それぞれの自宅へ帰る頃、私を含む四人は、ホームステイ先の人の到着を今か今かと待っていた。しかし、今回の一番の目的は、ホームステイをするためではない。現地校へ「一週間の短期留学」をするためだった。今回の短期留学は、いつもの短期留学と違って、一人…
立教英国学院の池

立教英国学院の池

私のドミトリー(生徒が住んでいるところ)には、そこそこ大きな、角ばっていない三角形の池がある。その池は、決して綺麗とはいえないが、英国のお屋敷に居るような雰囲気を味わえるから、私は好きだ。 私は、よくその池の横の道を散歩する。特に用は無いけれど散歩する。それはその池にずっと前から住んでいるカモ…
私の青春

私の青春

私の青春はきっとあの日から始まっていた。この学校に入学する時、父と一緒にロシア経由で来た。そこで事件が起きた。私と父がロシアに到着した時、既にロシアからイギリスへの飛行機は離陸した後だった。入学式の前日はイギリスの高級ホテルに一泊する予定だったが、そのホテルの予約を取り消した。父は近くにいたCAの人…
あした天気にな〜れ!

あした天気にな〜れ!

今日は曇りで朝からずっと寒かった。こんな作文を書くのにふさわしい天気じゃない気もするが、そうでない気もする。2学期の終業礼拝まであと1ヶ月と1日の今日、勉強をしなければならないという気持ちと残りの時間を大切に過ごしたいという気持ちが交差して、形容しがたい何かがこの胸でうごめいている。 僕は成長…
考えていること

考えていること

「何を書こう。」最後の作文と聞いた時に真っ先に思ったことだ。無難に、高校生活を振り返ってみようかなと考えたが、最近学んだ事について書くことにした。 私は、2週間前に受験の為日本に帰った。帰るということは書類審査が通ったという事なので嬉しくて、頭がいっぱいになり浮かれていた。なぜなら既に一校落ち…
ロンドン

ロンドン

ゆっくりと自分とクラスメイト達を乗せて上昇していくカプセルの中で、僕はぼんやりとロンドンの街並みを眺めていた。 実はイギリスに来てから、ロンドン・アイに乗ったのはそれが初めてではなかった。最初にあの巨大な観覧車に乗ったのは、2年半ほど前、入学式より数日早くイギリスを訪れ、母とロンドン観光をしていた…
高校3年生

高校3年生

ミニチュア世界にいるみたいだった。私はアウティングで初めて上空からロンドンを見た。 元々ロンドンの街並みが好きで憧れていたのだが、上から見ても普通に見てもやっぱり好きだと思った。そんな、最後のアウティングの始まりだった。 しかし、いつも通り楽しんでいたからなのか、あまり「最後」と感じることが…
レ・ミゼラブルの世界に圧倒されて

レ・ミゼラブルの世界に圧倒されて

午後7時29分。もうすぐだ。私は今すぐにでもミュージカルの世界に入って行きたくてうずうずしていた。 「始まった!」 そう感じてからはもう私は別次元にいるようだった。 好きな映画は、と聞かれたら迷わず「レ・ミゼラブル」と答えるだろう。それ位私はレミゼの世界観が好きで、曲が好きだ。レミゼはどんな私…
『オープンデーが終わって』

『オープンデーが終わって』

 オープンデーを経験して一番思ったことは楽しむことは大切ということだ。  オープンデーの準備期間中、良いアイディアが思い浮かばなかったり、思い浮かんだアイディアをなかなか形にすることができなかったり、楽しくない作業ばかりでつまらなかったり、みんなお互いにいろいろな不満を持ち、友達関係がギクシャクし…