私の青春

私の青春

私の青春はきっとあの日から始まっていた。この学校に入学する時、父と一緒にロシア経由で来た。そこで事件が起きた。私と父がロシアに到着した時、既にロシアからイギリスへの飛行機は離陸した後だった。入学式の前日はイギリスの高級ホテルに一泊する予定だったが、そのホテルの予約を取り消した。父は近くにいたCAの人…
あした天気にな〜れ!

あした天気にな〜れ!

今日は曇りで朝からずっと寒かった。こんな作文を書くのにふさわしい天気じゃない気もするが、そうでない気もする。2学期の終業礼拝まであと1ヶ月と1日の今日、勉強をしなければならないという気持ちと残りの時間を大切に過ごしたいという気持ちが交差して、形容しがたい何かがこの胸でうごめいている。 僕は成長…
考えていること

考えていること

「何を書こう。」最後の作文と聞いた時に真っ先に思ったことだ。無難に、高校生活を振り返ってみようかなと考えたが、最近学んだ事について書くことにした。 私は、2週間前に受験の為日本に帰った。帰るということは書類審査が通ったという事なので嬉しくて、頭がいっぱいになり浮かれていた。なぜなら既に一校落ち…
ロンドン

ロンドン

ゆっくりと自分とクラスメイト達を乗せて上昇していくカプセルの中で、僕はぼんやりとロンドンの街並みを眺めていた。 実はイギリスに来てから、ロンドン・アイに乗ったのはそれが初めてではなかった。最初にあの巨大な観覧車に乗ったのは、2年半ほど前、入学式より数日早くイギリスを訪れ、母とロンドン観光をしていた…
高校3年生

高校3年生

ミニチュア世界にいるみたいだった。私はアウティングで初めて上空からロンドンを見た。 元々ロンドンの街並みが好きで憧れていたのだが、上から見ても普通に見てもやっぱり好きだと思った。そんな、最後のアウティングの始まりだった。 しかし、いつも通り楽しんでいたからなのか、あまり「最後」と感じることが…
レ・ミゼラブルの世界に圧倒されて

レ・ミゼラブルの世界に圧倒されて

午後7時29分。もうすぐだ。私は今すぐにでもミュージカルの世界に入って行きたくてうずうずしていた。 「始まった!」 そう感じてからはもう私は別次元にいるようだった。 好きな映画は、と聞かれたら迷わず「レ・ミゼラブル」と答えるだろう。それ位私はレミゼの世界観が好きで、曲が好きだ。レミゼはどんな私…
『オープンデーが終わって』

『オープンデーが終わって』

 オープンデーを経験して一番思ったことは楽しむことは大切ということだ。  オープンデーの準備期間中、良いアイディアが思い浮かばなかったり、思い浮かんだアイディアをなかなか形にすることができなかったり、楽しくない作業ばかりでつまらなかったり、みんなお互いにいろいろな不満を持ち、友達関係がギクシャクし…
『有終の美』

『有終の美』

 「模造紙部門第1位は...(ダカダカダカダカダカダカダカダカ・・・ダン!)高等部1年 世界はこれをトイレと呼ぶんだぜ」  これを聞いた時、とび上がって喜んで興奮がおさまらなかった。  私は、OPEN DAYで模造紙班として活動した。字が汚く、サボりぐせのある私は、大きな仕事はもらえず、最初…
『人との関わり』

『人との関わり』

「日本人の方ですか?」 突然、流暢な日本語でそう話しかけられた。私は自分が立っている場所を思い返した。 イギリス、ケンブリッジ、マーケットの近くのサブウェイの目の前。私は咄嗟のできごとに困惑し、頭の回転が止まった。 かろうじて 「えっ?」 という声を発することができた。すると彼女はもう…
「最後」

「最後」

あー、もう最後のアウティングだ、そう誰かの呟き声が耳に入ってきた。私は耳を疑った。正直まだ信じることができなかった。「最後」という言葉が引っかかったのだ。1年前から覚悟はしていた。これから行うすべての行事がもう「最後」なのだと。オープンデイのクラス企画、合唱コンクール、球技大会... 一つ一つ終わっ…